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サマーゴースト

著:乙一  旅行中に眠れなかったため読んだ。 以前から気になってはいたが、やや高いのと、すでにあるストーリーをノベライズしたのか、オリジナルなのかイマイチ分からなかったので保留していた。 どうやらもとは映画のようだが、脚本自体は乙一さんらしいので、一応はオリジナルと言えるだろう。 ストーリーは死にたがりの3人が、死について聞くためにサマーゴーストという幽霊に会えないかと試してみるところから始まる。 件の幽霊は線香花火をすると時間が止まり、その間だけ幽霊が現れるという少し変わった設定で、映像映えはしそうなので、いずれ映画もチェックしてみたい。 この作品自体は死にたがりの少年少女、幽霊に対して死を聞く、幽霊はひき逃げにあって亡くなりいまだに死体は見つかっていないという、そこそこ苦情がきそうな設定が散見される。 とはいえこれらの設定でありながらあまり重苦しくなりすぎず、読了後は爽やかな印象を感じるのは、乙一さんの作品ならではかもしれない。 死にたがりの3人のうち、一人は病気により余命が近いという理由なので、やや特殊だろう。 しかし残りの二人のうち、少女の方は学校でいじめなどにあい、行動するのが怖くなり引きこもってしまっているため、迷惑をかけないうちに死にたいという理由で、もうひとりの少年(主人公)は母親の言うとおりに生きてきたが、生きる気力がなくなり、なんとなく死にたいという理由となっており、少なからず似たような思いを抱いたことがある人は多いのではないだろうか。 個人的には主人公の生きる気力がないという理由は良く理解できてしまうので、かなり感情移入できた。 とはいえ前述のように、重苦しくなり過ぎない作品なので、読んでいて死にたいという気持ちに引っ張られる可能性は低いだろう。 結局一人は病死してしまうのだが、その少年が幽霊として現れ、近況報告するというのは面白いと思った。 現実でも一度くらいは死者に会えるといいが、そう上手くは行かないので、物語ならではと言えるだろう。 最終的に主人公はさっぱりと親を振り切り生きることを選んだような描写となっているため、このあたりはやや拍子抜けするかもしれない。 しかし、もうひとりの少女の方は苦しいと思いながらも生きることを選んだというのが描かれているので、こちらは良かったと思う。 ストーリー中には幽霊の死体探しというものがあり、ややミステリ
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仕事のストレスが笑いに変わる! サラリーマン大喜利

少しでも楽しめれば良いと思って読んでみたのだが、つまらなすぎて途中で挫折。 大喜利と言っている割に、半分くらいは大喜利でも何でも無い普通の答え。 残り半分も面白いものは少なく、絵がなければつまらないようなものも多い。 合間合間にあるエピソードは良いと思うが、それだけを目当てにするには値段が高すぎる。 正直この本に関してはこれくらいしか書くことがない。 中身があまり無いとも言える。 大喜利が大半なので仕方ないのだが、肝心の大喜利がつまらない時点で何も言えない。

異世界で妹天使となにかする。 2

unlimitedで続き読めるようだったので読了。 うーん、イマイチ好きになれない展開。 前の巻から2年ほど経過したが、やっていることはあまり変わらず。 それ自体は良いのだが、今巻では女装して働かされたり、今後面倒事に巻き込んできそうなキャラが出たりと、ややモヤッとするところが多い。 女装が駄目というわけでもないのだが、流されるままというか、嫌なことでも基本的に全部引き受けてしまうのはどうかな。 もともと手伝いをお願いされ、アイテムボックスに料理をしまって必要なときに提供するということをやらされてただけで十分なくらいの働きだと思う。 それに追加して更に女装して手伝いもさせるというのは非常識じゃないかな。 また、領主がでてきたが、面倒事を運んできそうなキャラにしか思えない。 もちろん次巻を読んでみなければ分からないところではあるが、おそらくそうなるだろうなという印象。 そこまで嫌な感じをさせるキャラ設定にしなくてもよかったんじゃないだろうか。 次巻が楽しみというよりは不安の方が強い。 この本に限った話ではないが、話を動かすために強引に引っ張るようなキャラを出すというのは、ストーリー展開としてイマイチ。 今後もこういう展開が続くようであれば、残念ながら切るかな。 気に入った作品のすべてが気に入ることはそうそう無いだろうが、できれば作品としての良さは残してもらえると嬉しい。

ウケる日記

夢をかなえるゾウの著者の日記をまとめた本ということで読んでみた。 内容は一発目から下ネタだったので少し引いた。 とはいえ下ネタに目をつぶれば楽しめる。 下ネタがメインという気もするので、それに目をつぶるくらいなら読まないほうが良い気もするが…… もとは日記ということなので、あまりぎっちり書かれているわけではない。 というより、この著者自体が結構行間のある文章というか、1文ずつしっかり読む必要のない文章を書くこともあるので、この書籍でも納豆を使った料理名の羅列など同様の物がある。 そんなわけで定価で買うほどかと言われるとかなり悩む。 特にブログ自体は今も読め、この書籍に含まれた記事も読めるので。 今回は楽しめたが、個人的にはあまりこういうタイプの本は好きではないかな。 kindle unlimitedで読めなければスルーしていただろう。 以前、乙一著の「小生日記」を楽しんで読んでいたが、あれと同じくらいの値段設定であればより良かったんじゃないだろうか。 個人的には下ネタよりも「絶賛プロジェクト(仮)」や「240円の授業」の方が好きだった。 また下ネタ(というほどでもないが)の中では、「世界一伝えたい下ネタ」のような話が好み。 どちらにせよあまり下ネタは好みではないのかもなと、自分のことながら思った。 ウケる日記:https://ameblo.jp/mizunokeiya/ 読書メータ:https://bookmeter.com/books/9599739 

異世界で妹天使となにかする。 1

ニコニコで漫画読んで、結構気に入っていたので、電子書籍版のセールを機に読んでみた。 漫画はいいが原作の方は……となることも多いが、今作については普通に楽しめた。 ストーリーとしてはよくある異世界転生モノで、あまり派手な戦闘描写はないが、ややチートありと言える。 サポート役として天使やら神やらAIやらがつくという設定もありがちではある。 今作では天使のミスにより正常に生まれ変わることができず、記憶を持ったまま転生する必要がある。その罰兼サポート役としてミスをした天使と魂を混ぜ合わせて双子として生まれるという設定。 しっかりサポートしてくれるというわけでもないが、無能というわけでもなく、それでいて双子なのでストーリーにもよく絡んでくる。 この天使と主人公とのやり取りは割と楽しいので、ここが楽しめなければ作品としては低評価になるのだろうが、個人的には気に入っているため高評価。 テンプレであり、かつストーリーも物珍しくないが、それでも魅力を感じるのは、おそらく二人のやり取りのためだろうと思う。 漫画から入ったので絵柄はややロリっぽすぎるかなという気もするが、このあたりは好みの範疇だろう。 少なくとも下手とは思わない。 なろうで連載していたものということだが、それなりに文章は書けているので読むのが苦痛ということもない。 しばらくは継続して読んでいく予定。 読書メータ:https://bookmeter.com/books/16049000

外れスキル【チート・デバッガ―】の無双譚 ~ワンポチで世界を改変する~ 1

チートデバッガーって何? デバッガーとは違うのか? とか思いつつ読んでみた。 世界のバグに大して、対処できるスキルがチート・デバッガーということなので、やはりただのデバッガーのようだ。 何でもかんでもチートをつければいいというものではない。 内容としてはチラッと書いたが、チート・デバッガーのスキルを駆使し、世界に現れたバグが原因による異常事態に対処するというのがベース。 一応ストーリーの都合上か、実績を積んだりすることで能力が開放されていくようだ。 正直いえば、全体的にふわっとしているというか、薄い印象を受けた。 主人公がデバッガーのスキルを使いこなしているとも言えず、著者自体がしっかり書けているとも思わない。 というのもバグサーチというスキルがあり、それを使ってバグが探せるということなのだが、ほぼ使わない。 明らかにバグっぽいものが現れてから使っているが、特にデメリットがないので、常に連発しておくべきものではないだろうか。 バグとの遭遇率も高いので、余計にそう思ってしまう。 基本的には無双ものではあるが、一応敵にも同じスキルを持った敵がいるので、やや危ない状況には陥る。 しかし結局の所デバッガーのスキルでなんとかしてしまうので、全体を通してあまり危機感はない。 その敵との決着もふわっとしたままついてしまうので、盛り上がりに欠けるかなという印象。 また内容と直接関係ないが、文章の書き方に稚拙な部分が目立ったのも気になる。 魔法を使ったあと、「どかーん。」の一言で済ませてしまうのは、ラノベとはいえ小説としてどうかな。 ヒロインのセリフの中にいちいちカッコがついて本心が書かれているのも微妙。 それとたまに主人公がオネエっぽくなるのはなんなのだろう。 色々と言ってしまったが、文章力については長く書いていけば改善していくと思うので、そのあたりは経験を積んでいってほしい。

すべてのチートを過去にする異世界超科学 1

セールで安くなっていたため、試しに買ってみた……のだが、途中で挫折。 半分ほど読んだが、イマイチだった。 タイトル通り、異世界に召喚された主人公が超越した科学技術で作られた物を自由に使える鍵を手に入れて無双するという話なのだが、技術なんかの説明がダラダラと長くダレてしまう。 また、新しいものを開発中や、開発すると自分でするかのような書き方がされるが、実際にしているのはAIであり、主人公はさほど技術を活用できていないのも気になる。 凄いおもちゃを手に入れた子供が、まるで自分が凄いかのように調子に乗って無双するという感じ。 チート物といえばだいたいそんな感じではあるが、どうにも好みではなかった。 敵が特に理由もなく悪にされ、主人公が無双するための道具のように感じられたのも一つの原因かもしれない。 一番気になったのは主人公がやや特別な人間であるような描写がでてくるが、実際にはそうでもないところ。 中二病感が全開というか、大学生という設定である必要性を感じなかった。